炎症後色素沈着とは

 

炎症後色素沈着

炎症後色素沈着とは炎症色素沈着とも呼ばれ、ニキビや虫刺され、傷などで炎症が起き、茶色いシミとなって残ってしまったもの。火傷や、アトピー性皮膚炎の肌が黒ずんでしまうのもこの一種。

 

炎症後色素沈着を起こしている部分が、日光(紫外線)に当たってしまうと、黒ずみが濃くなり、シミとなって残ります。

 

シミの見た目

 

 

炎症後色素沈着のシミは、炎症したきっかけ、原因や炎症の程度によって異なる。

 

◆軽い炎症
ポチっとできた吹き出物、掻かずに我慢できた虫刺され、すり傷 等
→ 薄茶色のくすみがかったようなシミになる。時間は要するが自力でシミを消すことが可能。

 

◆長期間に渡る重度の炎症
青黒い痣、大きな水ぶくれになったやけど、掻きむしってかさぶたになった虫刺され 等
→ 根深いシミになるため自力で消すのが困難になる

 

できる場所

 

原因が多岐に渡り全身どこにでもできやすい。

 

シミの大きさ

 

原因によりシミの大きさが異なる。

 

炎症後色素沈着になる要因

 

  • ニキビの治りが悪い
  • 虫刺されを掻きむしる
  • 傷をそのまま放置・かさぶたを何度も取ってしまう
  • 軽度の火傷を負って治ってしばらくそのまま放置
  • 汗疹やアレルギー性皮膚炎になりやすい
  • 食品や化粧品等で肌がかぶれる
  • マスクやメイク、スキンケア、タオルで顔を拭くなどの摩擦

 

炎症後色素沈着によるシミができるメカニズム

 

炎症後、色素沈着を起こしニキビ跡や虫刺されが茶色っぽいシミにになる原因は、その部分のメラニン色素が関係しています。

 

ニキビ跡を例にすると、皮脂腺内にアクネ菌が発生して炎症が起こると、肌はアクネ菌を殺菌するために活性酸素を生成して、菌に対抗します。

 

活性酸素はアクネ菌の撃退をしてくれるのと同時に、皮ふの細胞にも攻撃を加えてしまうので、活性酸素からの攻撃から身を守るために、肌はメラニン色素を分泌します。細胞を守るための仕組みなので致し方ないですが、こうして、炎症が起きている最中にもシミの原因は作られてしまうのです。

 

炎症後色素沈着の原因は?

 

炎症後色素沈着の原因は2段階です。

 

1.ニキビの悪化、炎症の長期化

 

炎症がずっと起きたままダメージが慢性的に残っている状態。
表皮にあるメラノサイトは活発なままなので、メラニンもずっと生成され続ける。これが徐々に黒ずみシミになる原因の1つ。

 

一時性の炎症後色素沈着によるシミ

 

虫刺されや浅い傷の後に、色素が沈着してしまっている状態。炎症が治まった後も紫外線ダメージを受けないように紫外線カット剤で対策を取る必要がある。一時的なシミであれば、ターンオーバーと共にメラニン色素も排出されるが、程度によってはシミ消し化粧品などでのケアも必要。

 

慢性の炎症後色素沈着によるシミ

 

慢性的に色素が沈着してしまう状態のこと。シミの色の濃さにもよるが、慢性的な黒ずみをケアしたい場合は、皮ふ科での治療が確実。放置すると消えなくなるので常に美白ケアが必須。

 

2.炎症が起きている箇所に紫外線ダメージ

 

炎症は、通常の皮ふと比べてバリア機能が低下、通常の何倍もの紫外線ダメージを受けやすい状態。
健康な肌でも紫外線によるダメージは受ける。
傷やニキビ跡、虫刺され自体は治ってきたにも関わらず、紫外線ダメージによって色素が沈着してシミに。

 

炎症後色素沈着セルフチェック

 

  • ニキビができている時は化粧はしない
  • 美容液はコットンを使ってふき取るようこすってつける
  • フェイスマッサージなどで強く肌をこする習慣がある
  • アトピー性皮膚炎の治ったところが黒ずむ
  • ムダ毛の処理でよくカミソリまけしてしまう
  • 毛抜きで抜いた部分がシミになった
  • 炎症や傷、虫刺されの炎症の跡が残っている

 

1つでも当てはまったら炎症後色素沈着によるシミができてしまっている可能性があります。

 

炎症後色素沈着のシミと紫外線が原因のシミは見分けられる?

 

炎症が原因でできるシミと紫外線が原因でできるシミは似ているが、一般人では見分けて区別をつけるのは難しいです。

 

シミができている箇所に、セルフチェックの項目や、炎症後色素沈着になるキッカケ、行動がなかったかを振り返って、シミの種類を区別をしましょう。

 

1番確実なのは、皮膚科、美容外科などで問診をしてもらい、医師に判断をしてもらうことです。

 

炎症後色素沈着のシミは消すことができる?

 

ニキビ跡などの色素沈着によってできたシミを消すことができるかは、「肌に受けたダメージ(炎症)の程度」によります。

 

程度の軽い炎症が原因のシミ

 

程度の軽い炎症が原因のシミは、肌本来が持つ肌の生まれ変わり(ターンオーバー)で徐々にシミを消すことができます。

 

◆程度の軽い炎症とは?
軽度のニキビ、虫刺され(掻きむしっていない)

 

炎症の程度が酷い状態からシミになった場合

 

炎症の程度が酷い場合は、自然治癒でシミを消すことは難しいため、皮膚科に通院して処置をしてもらうのが必要です。

 

◆炎症の程度が酷い状態とは?
潰したニキビ跡、掻きむしった虫刺され、火傷、アトピーの跡(黒ずみ)

 

注意:炎症を起こしている間は紫外線対策をおこなうこと

 

「ニキビの肌に日焼け止めは塗っていいの?」

 

とくに、白ニキビや赤ニキビができてしまうと、その部分を触らないようにしないといけないと思ってしまいますよね。結論から申し上げると、白ニキビ、赤ニキビができている状態、もちろんニキビ跡がある肌も含めて、日焼け止めは塗ったほうが良いです。

 

ニキビ治療中には、紫外線ダメージから守ることで炎症を長引かせないようにできますし、紫外線によって皮脂の酸化を防ぐこともできます。

 

また、ニキビ跡は、通常の肌よりも色素が濃く、赤黒く黒ずんでいますよね。この状態でUV対策をせずに、そのまま紫外線ダメージを受けてしまうと、
メラニン色素がより蓄積されてしまうため、シミとなってしまうのです。

 

また、紫外線は、肌の乾燥を招く原因。皮ふの表面にあるバリア機能は、潤い成分によって保たれている部分もあります。そのため、乾燥はバリア機能の低下に影響します。バリア機能が低下した状態で紫外線を受けると、消せるはずだったシミも、UVダメージを過剰に受けてしまい消えなくなります。

 

炎症後色素沈着のシミを消す方法

 

炎症後のシミを消すための市販薬

 

アットノンEX(クリーム・ジェル)|小林製薬

 

傷あと、やけどの跡にアットノンEX

 

特徴

 

ヘパリン類似物質が肌のターンオーバーを促進して新たな細胞の生成を促す。傷ついた皮ふの組織をアラトインが修復。塗り続けることで徐々に傷跡に効き、シミを消す。

 

注意

 

目の周辺(粘膜に近いところは特に)、粘膜に近い部位には使用しない。
医師の治療を受けている人は薬剤師さんに相談すること。

 

効果

 

公式サイトでは、すり傷、引っかき傷、虫刺されのかき傷跡などにおすすめとのことで、「ニキビ跡」は公式サイトに記載なし。

 

顔への使用を想定していない市販薬だが、顔のニキビ跡に使用している人がいましたNAVERでは、6週間で鼻の下にあったニキビ跡が消えている。

 

▼ NAVER まとめ@
【検証】アットノンでニキビ跡は完璧に消せるか?
https://matome.naver.jp/odai/2140361586366231501

 

ただし、小林製薬さんは顔への使用を推奨している訳ではないので、使うときは自己責任。また、使用するとしても粘膜に入らないように注意する。

 

ケシミンなど有名なシミ消し市販薬は別ページで

 

ドラッグストアなど市販で購入できるシミを消すクリームとしてはケシミンやメラノCCなどが有名。また、肝斑に効く内服薬として有名なトランシーノIIも、トラネキサム酸配合なので、炎症後色素沈着にも有効。

 

これらの商品に関しましては、別のページで紹介していますので、他の商品も含めて下記のページを参考にしてみてください。

 

もっと詳しく知りたい方は⇒シミ対策【人気プチプラ】おすすめ化粧品

 

ピーリング

 

ピーリング

 

炎症後色素沈着の治療には、ピーリングが即効性あり、ピーリングには自宅で簡単にできるホームピーリングと美容皮膚科で行うケミカルピーリングが。

 

ホームピーリング

 

ドラックストアなどで販売されているピーリング剤を利用してシミを消す方法。塗りながらマッサージするとポロポロと落とすタイプ、スクラブ、ゴマージュなどの種類がある。ピーリング剤の濃度が薄いため、危険はありませんが、目立たない部位でパッチテストを。

 

ケミカルピーリング

 

美容皮膚科やエステなどで行う施術で、ピーリング剤と呼ばれる酸性の液をお肌に塗り、古くなった角質を取り除きターンオーバーを促しシミを消す方法です。肌の弱い方はピーリング剤の濃度を調整する必要があるので担当医に相談を。

 

 

内服薬・外用薬

 

外用薬・内服薬

 

炎症後色素沈着の治療には、内服薬や外用薬が用いられることも多いです。

 

外用薬(塗り薬)は、肌の漂白剤と呼ばれるハイドロキノンクリームや肌のターンオーバーを促進させるトレチノインなどが用いられます。ただし、シミを消すのが目的の場合、自由診療で、保険適用外なので1ヶ月分を処方で10,000円程度は掛かると想定しておきましょう。

 

保険内で処方してもらえる塗り薬は、ゲンタシンが一般的。また、内服薬には肝斑の治療にも使われるトラネキサム酸の内服薬が有効。

 

 

ビタミンCイオン導入

 

ビタミンCイオン導入

 

微弱電流を使用し、皮膚にビタミンCを浸透させる治療法で、美容皮膚科などで施術を受けることもでき、家庭用イオン導入器を使って自分で行うことも。ピーリングを行った後にやるとビタミンCが浸透しやすいので効果的です。

 

 

シミ取りレーザー

 

レーザー治療

 

炎症後色素沈着は、レーザー治療を行うとさらに炎症後色素沈着を起こしてしまう可能性があるので不向きとも言われてきましたが、技術の発達が進み、最近では、炎症後色素沈着の治療ができるレーザーもあります。

 

シミ取りレーザー治療は、美容皮膚科などで施術を受けることができ、使用するシミ取りレーザー機器やシミの大きさ、医院によって値段は異なりますが、例えばニキビ跡が原因の炎症性色素沈着であれば、5~10万程度の費用が掛かることが予想されます。

 

ダウンタイムや、施術を受けた後のケアにも注意。治療期間中は普段以上にスキンケアや紫外線に気をつける必要あり。

 

QスイッチYAGレーザー

 

肝斑や炎症後色素沈着などのシミを消す効果があり、QスイッチYAGレーザーの波長は症状に合わせて調整でき、メラニン色素のみを狙ってアプローチするので肌への負担を軽減しながら施術を受けることができる。

 

Qスイッチルビーレーザー

 

YAGレーザーよりもやや弱い波長とはなるものの、ルビーレーザーの波長は真皮層まで届くので、メラニン色素の破壊に最適。他の治療などの弱い光では届かない、皮ふの深い所に働き掛けるので、炎症後色素沈着にも有効。

 

フォトフェイシャル(光治療)

 

フォトフェイシャルは、医療機関でのみ施術を受けられるシミ消し治療で光治療(IPL)で、肌に当てた光がシミの原因となるメラニン色素に反応しダメージを与え熱作用によってコラーゲンの生成を促す治療法。治療は3〜5回程度必要。

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