ニキビ跡がシミになるの?
ニキビ跡によるシミは肌に出来てしまったニキビが炎症を起こして、その後に茶色や紫色のシミとなってしまうときがあります。このようなシミを色素沈着といい、主に2つの色素に関係が。
メラニン
シミのように見える茶色のニキビ跡は、メラニン色素が原因です。
ニキビが炎症を起こしてしまうと、体の中のヒドロキシルラジカルと言われる活性酸素が作り出され、メラニン色素を大量に作り出します。これにより炎症したあとのニキビ跡は、茶色に色素沈着して、シミになってしまいます。
皮膚にとどまってしまったメラニン色素は、肌のターンオーバーによって徐々に色が薄くなっていきますが、このターンオーバーの働きがしっかりと行なわれないと、古いメラニン色素は取り除かれずに、さらに濃い色となって肌に残ることに。
炎症が酷いものとなると、肌の深い部分にメラニンが沈着する場合があり、このようになってしまうと元の綺麗な肌に戻すのが難しくなってしまいます。
ヘモグロビン
色素沈着の原因がヘモグロビンのニキビ跡は、炎症したニキビの影響で真皮層がダメージを受けて、毛細血管が傷つくことでできます。ヘモグロビンは酸素がなくなると、紫や赤黒い色として色素沈着し、肌に残ることとなります。
ニキビ跡によるシミを防ぐためには
肌にニキビができてしまったら、症状が悪化しないようにすぐにこまめなケアをしましょう。もしニキビが炎症を起こしてしまうと、ニキビはニキビ跡へとなり、色素沈着し始めてシミとして残ってしまうので、肌を綺麗に維持したい方は炎症が起きる前にきちんと正しいケアを行ないましょう。万が一、ニキビ跡がシミになってしまったら、以下の方法で改善することができます。
茶色いニキビ跡にはケミカルピーリング
肌の表面にメラニン色素が残っている時や、肌の汚れや汚れた角質が原因でシミができている時は、ケミカルピーリングを利用して改善するといいでしょう。
酸性の薬剤を使用して肌に残っているメラニン色素を溶かして剥がれやすくして、ターンオーバーを正しく行なわせます。肌の状態によって違いは出てきますが、1ヶ月に1度の間隔でこれを連続で3回程度行なってみましょう。
生まれつき肌が弱い方などは、市販で売られている薬剤を使わずに1度医者に相談してみましょう。
ニキビ跡の色素沈着は赤いシミになる?
ニキビ跡の色素沈着で、ニキビが治った後に多く見られるタイプのニキビ跡が、赤い色素沈着が残ってしまう、赤いニキビ跡です。血液中にあるヘモグロビンという赤い成分が原因で起こります。
ニキビができてその炎症によって細胞が傷つき、傷害された部位を治そうとして肌に新しい毛細血管が沢山作られます。この沢山できた毛細血管の色で皮膚が赤くなるのです。
ニキビの炎症により毛細血管が壊されると、血液が皮膚の細胞間に漏れ出てしまって、ヘモグロビンが皮膚に沈着してしまいます。
これが赤い色素沈着、つまりシミの原因なんですね。
赤いニキビ跡からなるシミは真皮層という深い部分で起こっているのでなかなか完治させるのが難しいです。保湿などを行って時間をかけてターンオーバーを促して改善をしていきましょう。
ニキビ跡消す方法で簡単なのは?
ニキビ跡でできたシミを簡単に消す方法は、病院での治療が一番簡単です。
特に赤〜紫のニキビ跡を自分で治そうとするのは非常に時間がかかって難しいです。
赤〜紫のニキビ跡は病院へ
ヘモグロビンが根本となる紫色や赤黒い色をしたニキビ跡は、メラニンが原因のニキビ跡なので、違った改善方法をすることになります。何故かと言うと、このタイプのニキビ跡は肌の真皮層という深い部分でシミができているので、肌のターンオーバーで改善しようとしてもかなり難しいこととなります。
なので、医療機関でまずは相談し、適切な治療法を行なってもらうのが1番いい方法です。どちらにしても、ニキビができたらターンオーバーをしっかりと行なわせるケアが大切です。
肌が再生する働きを促進させて、きちんと色素が肌から剥がれていくことによって色素沈着の悩みは改善されるでしょう。
ニキビ跡の色素沈着(シミ)はどんな治療をするの?
ニキビ跡のシミを皮膚科や美容クリニックでで治療する場合には幾つかの方法があります。
ケミカルピーリング
サリチル酸マクロゴール等の薬剤の力で皮ふ表面の角層を剥がす施術。
薬剤で角質層から表皮上層部を剥がれやすくして、肌のターンオーバーを正常化、促進させて、シミだけではなく、そばかす・くすみ・小じわ・はり・毛穴の開きなども改善できる方法。
薬剤について:サリチル酸マクロゴール
サリチル酸マクロゴールとは、サリチル酸という成分をマクロゴールという基材で溶解し、皮膚深部へ浸透させることで、薬剤による中毒の危険性を防ぐことができるピーリング剤。
酸の成分が角質層のみに反応するので、角質層以外の細胞を傷つけることがなく、安全性の高いケミカルピーリングで、メラニン色素が溜まった角層のお掃除をおこないシミ悩みを徐々に解消する。
施術後に皮膚が変色してしまったりするような、深刻な肌のトラブルは殆ど報告されていない。
これまで使われてきたグリコール酸や乳酸といったピーリング剤に比べて、サリチル酸は皮脂に近い性質です。そのため、皮脂が多く集まる毛穴まわりの角栓やニキビといったトラブルの治療に多く使われている。
また、サリチル酸にはシミへの効果や真皮のコラーゲンの生成を高める効果も期待できる。
値段:美容クリニックで5000円〜(シミの大きさによる)
イオン導入
イオン導入によってトラネキサム酸を浸透させる施術。トラネキサム酸の効果を十分発揮させるため、 電気(イオン)の力により効率的に皮膚に浸透させる方法です。
ノーニードルセラピーといわれており、その名の通りニードル(針)を使わずに皮膚に薬剤を浸透させる。
細胞の構造・機能を傷つけるようなことはなく、肌の細胞内に一定の分子量の有効成分を、直接浸透させることができる方法です。
シミの他にも毛穴の開き、肝斑、肌のハリ(たるみ解消)、ちりめんじわなどに効果があると言われている。
値段:美容クリニックで5000円〜(シミの大きさによる)
ベビースキン イオン導入
ベビースキンのイオン導入は、いま、美容クリニック業界で大注目されている方法。ベビースキンとは、赤ちゃんと母体をつなぐ臍帯(へその緒)に存在する臍帯血(さいたいけつ)から作られている。
臍帯血(さいたいけつ)に含まれる臍帯血幹細胞を培養する際の培養過程で上清液に放出された成長因子を製剤にしたもの。ベビースキンというお薬自体が、シミはもちろん、どんな肌トラブルにも対応できるものなので、シミを消す以外にも解消したい肌悩みがある方にメリットが大きい。
ベビースキンの成分
IGF-1(インスリン様成長因子1)
新しい皮膚生成によるしわの予防と解消
コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の増加促進
IGF-2(インスリン様成長因子2)
細胞の修正、リニューアル
IGFBP(インスリン様成長因子結合蛋白質)
細胞の成長を促進と新しい皮膚細胞創生
MCP-1(単球走化活性因子)
マクロファージの増殖刺激と細胞活性化、老化細胞、異物、過剰生成メラニン色素等の除去
IL-8(インターロイキンファミリー)
抗炎症作用に起因する創傷治癒の向上
M-CSF(マクロファージコロニー刺激因子)
細胞の増殖、分化及び活性化に必要なタンパク質成分
値段:美容クリニックで25000円〜(シミの大きさによる)
ダーマペン
ダーマペンはマイクロ針を用いて肌に対して垂直に穴を開ける医療器具(アメリカFDA承認)のこと。
このダーマペンで肌に高密度に穴を開け、真皮にヒアルロン酸や成長因子を直接導入することで消したいニキビ跡に働きかける。
値段:美容クリニックで19,800円〜
ニキビ跡の色素沈着(シミ)のシミ取りレーザー治療
ニキビ跡のレーザー治療は肌深層までシミ取りレーザーを照射することにより、肌の中にあるコラーゲンを増産させて肌生成を促すことで、ニキビ跡を消す方法です。
あえて傷を作ることで生成を促す方法などもありますが、赤みのあるニキビ跡にはあまりオススメされていません。
赤みのあるニキビ跡にシミ取りレーザーを推奨しない理由
- ニキビ跡よりも目立つ傷をつけるが、ダウンタイムに時間かかる上に1回では終わらない場合が多い
- 予後ケアを怠ると、更に深い傷跡になってしまう
- 高額なわりにレーザーのみで解消できるわけではないので、他にも予後ケアを行うために時間やお金がかかる
それでも、時間のかかる自力のスキンケアよりは、成功すれば早く綺麗に消すことができます。
ニキビ跡のシミに使われているシミ取りレーザーの種類
フレクセルレーザー
肌の表面にごく小さな穴を開け、角質よりも深い部分を刺激して新しい肌に生まれ変わらせる治療法。
レーザー治療のなかでも比較的シミを消すのに即効性がある。
月に1回の施術を4〜5回ほど行う必要があります。
値段:1回あたり30,000〜
ブリッジセラピー(アンコア)
co2(炭酸ガス)レーザーで皮膚を霧散させ、ブリッジと言うようにニキビ跡とニキビ跡の間に橋をかけ、お互いを引っ張り合うようなイメージのシミを消す治療方法。
肌が本来の傷跡を修復しようとする本能で、コラーゲンの生成を促して、皮膚をより合わせる。
3ヶ月に1回のペースで3回程度の施術が必要。
値段:1回あたり80,000〜
クールタッチレーザー
レーザーの照射によってマイナス30度の冷却ガスを噴射し、レーザー照射時の熱さやヤケドのリスクを減らすニキビ跡のシミを消す治療法。
真皮層に熱刺激を与え、コラーゲンの生成を促すことで皮膚をふっくらさせニキビ跡を消す。
2週間から4週間の間隔で数回必要
値段:1回あたり30,000〜
ニキビ跡の色素沈着(シミ)に効く市販薬は?
ニキビ跡に使える薬には、処方薬だけではなく、市販薬も色々な種類があります。それぞれ、ニキビ跡の種類によっても使い分けが必要なので、どんなタイプにはどの薬が合うのかを知っておきましょう。
また、自分がどのタイプのニキビ跡なのかわからない場合は、薬剤師さんや医師に相談する方がよいでしょう。
薬で治るニキビ跡(シミ)とは
薬だけの力で治すことができるのは、赤みのあるタイプと色素沈着しているタイプ。
クレーターやミミズ腫れのようになったニキビ跡については薬だけで改善することはできません。
オススメのニキビ跡市販薬
重度のニキビ跡では皮膚科の受診をお勧めしますが、軽度のニキビ跡のシミなら市販のものでケアし、改善することが可能です。
LION ペアアクネクリーム(第2部医薬品)
「ペアアクネクリーム」は、患部を開かずに有効成分が浸透し、吹き出物・ニキビの元から治す医薬品です。
参考価格:14g 950円、24g 1,450円
ロート製薬 アクネージアメディカルクリーム(第2部医薬品)
肌の乾燥を防ぎながら,毛穴づまりの原因・古くなった角質を取り除くニキビ治療薬です。
参考価格:16g 950円
エスエス製剤 ハイチオールB/ハイチオールC(第3部医薬品)
肌代謝を助けるアミノ酸“L- システイン”とビタミンB群、ビタミンCを配合。体の内側から肌細胞の生まれ変わり(ターンオーバー)を正常化します。
参考価格:
ハイチオールB 40錠802円、100錠1,522円、270錠3,542円
ハイチオールC 60錠1,500円、180錠4,536円
エーザイ チョコラBBプラス(第3部医薬品)
体の中で直接働く活性型ビタミンB2が、肌細胞の生まれ変わりを助け、元気な細胞で肌を満たします。
参考価格:60錠1,382円、120錠2,570円、180錠3,650円、250錠4,838円
ニキビ跡の茶色いシミにオロナイン?
ニキビ跡にオロナインが効くと、SNSやネットで話題になった事があります。
残念ながら、オロナインにニキビ跡を改善する効果はありません。
小さなニキビなどの改善には効きますが、炎症を抑える効果やターンオーバーを促すような効果はありません。
ニキビ跡の色素沈着(シミ)にオススメの化粧水は?
ニキビ跡が色素沈着してしまうとシミに変化してしまうので、毎日のスキンケアに美白を意識したケアが必要になります。
そんな時に、スキンケアに取り入れていきたいのがシミを消す有効成分が配合された化粧品。
シミを消す化粧品には、美白化粧水、美白美容液、美白クリームといったスキンケアアイテムがあります。どんな化粧品を使えばニキビ跡の色素沈着に効果的なのかをご紹介します。
ニキビ跡のシミにオススメのシミ消し成分
さっそくニキビ跡のシミを消すのに効果的な成分をチェックしてみましょう!これらの成分を主成分として使っている商品を探すのがオススメです。
ビタミンC誘導体
ビタミンC誘導体は、ビタミンCがシミ対策に欠かせない成分なのに、とても脆くて壊れやすいという欠点を補って、人工的なビタミンCを改良し、安定化させたもの。
シミの原因に届けるために、皮膚への浸透力はもちろん、肌に浸透してからビタミンCに変化するという特徴があり、ビタミンC誘導体は水溶性と油溶性のタイプのものがある。
皮膚に吸収されやすく、化粧水や美容液に最適。リン酸型ビタミンC、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビルエチルといった名前で化粧水などに成分表記されている。
水溶性のビタミンCに油分を結合させてエマルジョン(乳液)状態にし油溶性に変化させたもの。テトラヘキシルデカン酸アスコビル、ステアリン酸アスコビルといった名前で化粧クリームなどに成分表記されている。
水溶性と油溶性の両方の性質をもつ…水にも油にも溶解する性質があるため、浸透力がとても高いのが特徴。アスコルビン酸2リン酸-6パルミチン酸(APPS)といった名前で成分表示されている。
ビタミンC誘導体には、抗酸化作用があるため、新陳代謝を促して、メラニンを排出するための働きかけをして、肌への色素沈着を防ぐ作用があり、皮脂分泌のコントロールをする作用もあるので、肌をなめらかにしてくれるといったうれしい効果が期待できる成分。
水溶性プラセンタエキス
プラセンタエキスは、胎盤エキスのこと。ここ数年で大注目されている成分。シミ消し効果のほかに、美肌効果がある成分としても有名。
プラセンタエキスに含有されている成長因子の力によって、細胞が活性化され、新陳代謝が活発になることで、メラニン色素が肌に沈着せずに、どんどん排出されていくことでシミ消し効果が期待できる。
ニキビ跡がシミになってしまった方は、これらの成分を含有した化粧水を選ぶようにしてみてくださいね。